6/28/2008

オリエンテーション

 今日はオリエンテーションで、はじめて研修医全員が集合した。一日で終わるだけあって、朝から晩まで講義の連続、非常に長かった。program directorからのfatigueについての講義と、chief residentからの研究についての講義が興味を引いた。
 Fatigueについては、原因について(短期、あるいは慢性的な)睡眠不足や感情のストレスなどが挙げられ、注意力や集中力が現弱するほか気分が荒立ったり沈んだりといった悪影響がでる。疲労は、acclimate(順応)できるようなものではなく蓄積してしまう。
 制限時間を守れるよう時間内に終わらせる技量を身につけ、間に合わない分は引継ぎ、休日にちゃんと休息をとり、短時間でよいから昼寝する、などの対策をとるように指示された。コーヒーは、その場しのぎには役立つが余り飲むと寝るべき時に眠れなくなるとのことだった。
 Isolation is your enemy、自信がなく疲れたときに引っ込み思案になりがちなので、敢えてそうならないよう気をつけよ、downward spiralになり得るとのことだった。院外でも、家族、友達と積極的に連絡を取り合いサポートの資源とせよとも言われた。
 また研究については、問題解決能力を向上させるために必要なのみならず、将来的にキャリアを積む上で必須となっていると説明された。何かに関心を持ったら、とことん調べ、それでも分からないものを研究課題にしようとのことだった。ただしfeasible(実現可能)でなければならないから、研修が忙しい多くの研修医は誰かが考えたプロジェクトを手伝うようだ(piggybacking、便乗)。

6/25/2008

外来

 Every cloud has a silver lining(曇り空でもその雲の端からは太陽の光が差しているように、上手く行かない時でも必ず好転の兆しがあるものだということ)、Out of the frying pan and into the fire(一難さってまた一難)など、表現をいろいろ学ぶのはよい。
 さて、午前中は内科外来を見学した。私はurgent careといって「今日は頭が痛い」「風邪を引いた」など予期せぬ新しい問題で来る飛び込みの患者さんを診るようだ。それと別に定期外来も金曜日の午後にあり、これはどの科をまわっていても継続して行われる。
 一週間前に出産したばかりの研修医の先生も働いていた。分娩のため1週間休んで、また働いているという。子供の写真を見せてもらったが可愛かった。多くても午前中に5-7人、重篤な患者さんはERに行くので、日本とは比べ物にならぬほどリラックスした雰囲気だった。
 なお患者さんには保険のない、または保険が十分でない(underinsured)人が多く、タダの薬をあげたり、福祉関係の書類(日本でいう生活保護のような)にサインをしたり(あるいはしなかったり)という仕事も多いようだった。
 ようやく来週には仕事が始まる。自分で考え行動して、上手く行ったり行かなかったりする。分からなければ聞き、調べ、わかることは伝える。そういう経験はワクワクする。じつは英語で診察しプレゼンしカルテを書くこと自体久しぶりだが、じきに慣れるだろう。

6/21/2008

夏至

 講習二日目は、予期したほど大変でもなく無事終わった。内科で今後3年間いっしょに働くことになる先生方と五人くらい知り合いになった。みな親しみやすくて安心したが、まだ名前を覚えられない。今年は(も?)覚えにくい名前が多いみたいだ。
 病院のカフェテリアでは、パンとサラダを主に頼み、サラダにはお酢を掛けるようにしている。周囲にはベジタリアンかと思われたが。マカロニ&チーズやピザなどは、本当は好きなので、敢えてあまり取らないのがよいだろう。

6/20/2008

講習

 今日はACLS講習があって、心肺蘇生法について改めて講義を受けた。講師の先生は消防士さんと看護師さんで、主に救急ヘリで仕事をしている人たちだ。教える経験も臨床経験も豊富な様子でためになった。薬剤のアンプルやシリンジが実際は何mgだとか、実践的な話もあった。
 amiodaroneは泡が立ちやすいのでアンプルから吸うときは気をつけるとか、気管内チューブを挿入したあとの確認に左胸部を右胸部より先に聞くのは、右主気管支に入ることが多いからとか、骨髄針の留置には電動ドリルを使うとか(実際にやってみた)、新鮮だった。
 会話表現としては、heads-up(警告、注意喚起)というのがあった。意識してメモをとらないと、聞いた表現は忘れてしまう。内科も外科も関係なく講習を受けるため、昼は外科レジデントのひとりと食事をしながら会話をした。日本の医学部を卒業してから来た人は珍しいから、関心を集めた。
 明日は後半で、もっとhands-onな実習になる。ためになるからよいのだが、米国心臓協会(AHA)認定コースなので最後の試験が厳しいかもしれない。ガイドブックは貰っているので、少し読んで、付属CDの問題集も解いて、備えよう。
 考えてみると、就職前に(既に受けた人は除き)病院負担でみんなに受けさせるのが筋かもと思う。「うちのスタッフは緊急時の対応をちゃんと習っている」と診療の質を確保することになる。働き出すと二日の休みなどとれないし、実際日本のどこの講習会場も、すぐに予約が一杯になってなかなか受けられない。