9/14/2012

教育の第一歩

 今月の指導医はよき教育者として知られているが、今月は私に症例のディスカッションをチョコチョコ任せてくれた。そばで見ているのと実際に教えるのは勝手が違う。相手がトンチンカンなことを考えている時に、「それはちがう」とか「それはこうだ」と言わずにうまく相手が方向転換できるようにするのが難しい。「うーん…(それはどうかな)」と言ったくらいで相手が間違えに気づいてくれると思うのは、甘い。
 そう言う目で先生の教え方を見ていると、たとえば先生が「これは難しい問題だ、なぜならば…」と返していた。「これは難しい問題だ」と言えば、相手が知らないことを責めなくても済む。そして、相手が正しく考えるきっかけになる事実を提示する。これは先生が使う様々なテクニックの一つだ。たとえるなら、私が一本の山道を知っているのに対して、先生は山全体(落とし穴や抜け道など、すべて)を知っている。
 医学教育といっても、奥深い。知識だけでなく、このように様々なテクニックが要求されるのだ。さらに対象(医学生、研修医、フェロー、一般内科医、腎臓内科医)、媒体(一対一、少人数ワークショップ、数十人へのレクチャ、数百人への講演、数千~万人への投稿やテレビ)によっても教え方は異なる。それで、この分野も他の分野と同じように「専門分化」している。私はまだ入り口だが、そのうち自分が最も得意とする専門を見つけることになるだろう。

9/03/2012

research month

 初めて経験したresearch monthが、終わろうとしている。時間とやることををすべて自分で調整して決めるためか、ずいぶん長く感じられた。どれだけやってもいつまでやっても終わらない、長いスパンのプロジェクトを進めることによる固有のストレスもあった。また、創造的な仕事なので、個室のオフィスがあればもっと集中できるだろうにと思った。しかし一日一日できることをやって、いろんなことが進んだ。通常業務に戻るので、一旦頭を冷やし、「時間ができた時にまた、あれもこれもやりたい」という気持を高めよう。