参加したのは全米から集まったいろんな世代の医師、医学部でwritingを教える人、その他の医療関係者などが14人。まず短い散文の書き方を学び、代表的な作品を読んで吟味し、実際に30分で試作を書き、スクリーンに映して自分で読み上げ、全員で品評する。そんな風にものを書くのは初めてだったが、やってみたら意外と出来た。
医師で作家になる人は多いし、scienceとhumanityが結婚している医学領域にいれば論文以外のものを書きたくなるのは自然と思う。米国内科学会誌のOn Being A DoctorやJAMAのA Piece of My Mindのような500-1000語程度の作品が手軽に書ければ、忙しい日常で心がきらめく一瞬を結晶にして、その輝きを残すことが出来よう。
いや、500語といわずもっと短くてもいいのかもしれない。なんと、英米文学には6-word short storyというジャンルがあるそうだ。最も有名な作品はこれ。
For sale: baby shoes, never worn.
これはEarnest Hemingwayが「おれは10語以内でストーリーが書ける、賭けるか?」といって作ったとされる(ただしこれは伝説らしい)、読み手にいろんなことを考えさせる作品だ。どうして一度も履かれることがなかったのか?赤ちゃんに一体何が?どうしてそれを売るのか?どうしてそれを広告に出すのか?
これは暗示的すぎるが、動的でも良い、描写的でもよい、散文的でもよい、警句的でもよい。6語の制約により却って自由度が増すのは、俳句や短歌に似ているかもしれない。セッションでは「2分で作ろう」というので、私も何個か作ってみた。そのうちの一つは、こちら。
Life goes on, dry or wet.