"Chance favors the prepared mind"というが、モノ書きのプロジェクトが始まってから色んな面白いことが起こる。先週は、human behavior(ポリネシアの民俗学)を研究して引退した老学者の人と偶然食事する機会があり、「君は本を書くのか?」と聞かれた。本は書かないがブログを書いているというと、「君は本を書くべきだ。human behaviorを研究している私には、君が他の人と違うことがなんとなく分かる」とおっしゃる。そのあとフォーチュンクッキーまで「あなたは思考が明晰で、あなたの視点を他の人に伝え信じさせる力がある」という。
なんだこれはと驚きつつ、勇気づけられて日々モノ書きしていたら、今度はscience writerの第一人者であるCarl Zimmer氏が講演しに来た。彼は科学モノのベストセラーを何冊も書き、記事をNew York Times、National Geographic、Time、Scientific Americanなどに何本も書く売れっ子作家だ。Science Journalism Awardを受賞した人気ブログも書いている。大学のWriters' Workshop夏期プログラムで教えに来るついでに、私のオフィスのすぐそばで講演するというので行ってみた。
講演の全ては聴けなかったが、journalistを目指す学生で一杯の会場で、彼があきらかにプロが発するオーラで講演していた。「ネタというのは座って待っていても来ない、探すことだ」というのに共感した。自分が今していることを彼に知らせるのは気が引けたが、何か起こるかもしれないと、思い切って講演終了後に壇上に駆け寄り話しかけた。すると、スケジュールが押していたのでやや面倒くさそうだったが「誰に書いているのかを配慮せよ、それに応じて書き方を大きく変えることが重要だ」と一言アドバイスしてくれた。