11/23/2012

さまざまな教育モデル

 学会にはfaculty developmentのセッションもあり、会場は満員で立ち見がたくさん出た。各フェローシッププログラムのディレクタークラスの先生方が多かった、requirementだったのかもしれない。日本人で米国腎臓内科フェローシップを終えて教育に従事している先生達も来ていた。

 発表者のうちではピッツバーグ大学の(私も面接でお世話になった)Johnston先生、Beth Israel DeaconessのHoenig先生のが特にためになった。Johnston先生は、教育方法にいろいろ名前をつけて説明していた。たとえばRIME、Aunt Minnieモデル、SNAPPSモデルなど。

 RIMEとは、学習者がR(reporter)、I(interpreter)、M(manager)、E(educator)のどこに位置するかに従い指導するもの。回診で医学生、レジデント、フェローと異なるレベルの学習者を教える際に、医学生はR(それができればI)、フェローはM(それができればE)というようにアプローチできる。

 Aunt Minnieモデルは、病歴を一文で要約させ学習者の診断能力を評価するもの。"If it looks like a duck, swims like a duck, and quacks like a duck, then it probably is a duck"(なお、英国の脚本家Douglas Adamsは、カモ科のほかの鳥である可能性も指摘している;下図)。同じように、「A(疫学)で、B(既往など)のある患者さんが、C(症状と現病歴で重要な情報)で来て、D(診察、検査所見)がある」と綺麗に情報を並べれば診断はだいたいつく。




 診断がそこまでstraightforwardでないならSNAPPSモデルが有効かもしれない。これはSummarize history and findings、Narrow the differential、Analyze the differential、Probe preceptor about uncertainties、Plan management、Select case-related issues for self-studyに従って学習を促進するものだ。

 これらは何も新しいことではない、名前が新しいだけだ。私は米国に来て自分が日本でSOAP(subjective, objective, assessment, plan)のAとPを鍛えてこなかったことに気づき愕然としたが、日々の診療で無意識のうちに(あるいは指導医がこれらのモデルを使っていたかもしれない)鍛えられた。これから意識して自分と学習者に応用したい。