私がアカデミックな職場にいたい一つの理由は、いろいろ学べるからだ。たとえば今日は仕事中にCharles Joseph Minardの話になった。彼は18-19世紀フランスのcivil engineerで、infographic分野の先人だ。彼が作ったグラフィックでもっとも有名なのは"Carte figurative des pertes successives en hommes de l'Armée Française dans la campagne de Russie 1812-1813"、Napoleonが1812年に行ったモスクワ遠征についてのフローマップだ。
これはポーランド・ロシア国境から東征するNapoleon軍の勢力がモスクワに向かうにつれ漸減する様子を地図上に帯状ラインで示し、さらに退却するときのグラフは勢力減少のみならずその過程における気温もグラフで同時に対応させて表示している。見れば分かるが、とても手書きとは思えない精巧さだ。
どうしてこの話になったか?指導医と私は免疫抑制の話をしていたのだ。私は免疫抑制の程度は、拒絶-感染症という全か無か(点=一次元)ではなく、それぞれを極にした線上(二次元)でどこに位置するかプロットできればと思っていた。そして指導医は、さらに三次元、n次元について考えていた。で、それらを表示する方法としてMinardの話になったというわけ。