2/07/2013

Service and education

 採血、患者さんを運ぶなどは分業されたので米国で研修医がすることはまずないが、オーダー、電話などこまごまとした仕事はたくさんある。アメリカに来て、仕事といえば電話ばっかりで「ここでは医師の仕事は電話することなのかな」と思ったほどだ。
 Serviceとeducationはしばしば臨床研修において対立項で論じられる。学費を払って勉強する学生と違い研修医は働いて勉強するから、ほっとくと労働力になる。それで教育者の役割はserviceを最小限にして教育の質を保つことと考えられてきた。
 しかしserviceとeducationは分離して考えられない。採血がうまくなればそれは技術だし、機内で急患にさっとIVラインを取れるだろう。退院サマリーを書くのも外来アポを取るのも大事なスキルで、教育価値がまったくないとはいえない。
 それで今週のNEJMに、卒後研修におけるserviceとeducationの関係を捉えなおそうという論文がでた(NEJM 2013 368 500)。もともとACGMEは医学知識だけでなくpatient care、practice-based learning、systems-based practiceなど「仕事がちゃんとできる」ための教育を重視してきた。
 この論旨もその流れに沿ったもので、serviceにも教育価値があるから「雑用(scut-work)」と粗末にするな、そしてserviceをもっとembraceする文化を創ろうという。まあ、医師に求められるserviceと仕事量は増える一方だから、それを教育の障害と考えては立ち行かないのは確かだ。