2/18/2019

外来予約の数学的な考察

 外来診療では患者さんを4週、6週、8週、12週など偶数週おきに診察することが多い。しかしこれらの数字は互いに素ではないので、たとえば12週に一度は4週おきに診るAさんと8週おきに診るBさんと12週おきに診るCさんの診察日がそろって、その日は飛びぬけて外来患者さんの数が多くなる。

 おなじことは自然界でも問題になりうる。7年ゼミ・13年ゼミのようにセミの周期に素数が多いのは幼虫が起きてくる年を互いにずらしているから(あるいはそのような周期のセミだけが自然選択で残った)という説があり、素数の本『素数姫の素数入門』(「素数に恋する女」製作委員会)にも紹介されている。

 ということで思いついたのが、素数週のフォローアップだ。5週、7週、11週のように完全に素数でなくても、「互いに素」な4週おきのDさんと9週おきのEさんは36週おきにしかかぶらない。こうした工夫によって、外来患者さんの週ごとの人数は平坦になるのではないか?

 そもそもフォローはどうしても偶数や4の倍数週おきでないといけないわけではない。むしろ「1カ月おき」「2カ月おき」と思って4週おき、8週おきにしても一ヶ月は28-31日なので、合わなくなってくる。それで1週ずらして奇数週にするというようなことは臨床現場でよくある。

 患者さんに「仕事の都合でどうしても6週おきがいい」などの希望がある場合は別だが、そうでなければ奇数週に抵抗はないと思われる。なお筆者はいまヘアカットを5週おきにしているが、とくに困ったことはない。

 むしろ課題は、ほんとうに素数・奇数週フォローのモデルが外来患者数の偏りを解決するかということだ。こちらは既にされた研究がないかを調べるなどしてもうすこし検証してみたい。三連休がふえて月曜外来の患者数が休みの前後週で倍近くになるなど、外来患者数の偏りはリアルに困った問題になりうる。役立つ解決モデルがあってほしい。