しかし、入院診療といえども完璧ではない。診察するときベッド上に薬が一粒転がっている、などということは時々ある(「お昼はこれを飲んでくださいね」と渡しても、患者さんが落としてしまうのだろう)。
また、点滴なら安心なわけでもなく、たとえば血管外漏出を起こしていれば、薬は皮下組織に炎症を起こすだけで身体に行き渡らない(精密持続点滴で「押し輸液」がない場合、流量が少ないため数時間経たないと気づかれないこともある)。
「なにが」「どこから」「どれだけ」行っているのか。それが、ちゃんと入っているのか、入っていないのか。治療している「つもり」にならぬよう、しっかり確認する必要があるなと痛感する。
アドヒアランスを阻むさまざまな要因 (Patient Preference and Adherence誌より、doi:10.2147/PPA.S86719) |