7/15/2024

Levo

 LOVEのOとEをひっくり返すとLEVOであるが、Levoといえば、甲状腺ホルモン補充の薬levothyroxineや、フルオロキノロン系抗生物質levofloxacin、ドパミン補充の薬levodopaの接頭辞でもある。

 今日まで知らなかったが、levoは「左」を意味するラテン語laevusに由来する。右はdextro。つまり、二種類の光学異性体、LとDのことである。

 それはいいとして、ラテン語族のフランス語で左はgauche。むしろ英語のleftのほうが、levoに近く感じられる。また、左のラテン語といえばsinisterでは?と思った方もいるかもしれない。

 語源を調べると、どうやら「右」に「正しい」という意味付けが加わっているせいで、「左」はなにかと好くない意味付けがついて、話が複雑になっているらしい。しかし、levoには「不器用、不運」などといった意味付けが比較的薄いようだ。それに、ちょっと工学的な響きがあって格好いい。