7/11/2024

Donor Counseling

  ドナー志願者に伝えることはいくつかあるが、まずは感謝の気持ちである。一つには、レシピエントが助かるたけであるが、もう一つには、生体腎移植を受けることで献腎移植リストから外れれば、それだけ献腎移植を待つ患者さんが助かる。

 そのうえでリスクを伝える。移植後に代償されるとはいえ、25%程度は腎機能を失うことになる。それでも多くの人達は大丈夫なのであるが、血圧が少し上がるリスクがある。とはいえ、現在では降圧薬で管理良好な高血圧患者もドナーになれる(十分安全であるというスタディがでたらしい)。また、単腎になるため尿路結石の既往は知っておく必要がある。

 ほかにも、前の投稿でふれた家族歴(APOL1遺伝子を含む)、ドナー志願者ごとのリスク(耐糖能異常、肥満、顕微鏡的血尿など)について話をする。

 また、志願するにあたってはさまざまな思いや事情があるため、それについても敬意をもって耳を傾ける。たいていは、ハート・ウォーミングでポジティブな雰囲気になる。志願者の全員がドナーになれるわけではない。中には、最初から難しいと思われる人もいるかもしれない。しかしそれでも、まずは話を聴くことが第一である。

 また、どう見ても健康そうな志願者に思わぬ支障が見つかることもある(極論すれば、腎臓が生まれつき一つしかなかったなど)。そうした場合も、よく話をして「ドナーになれるといいですね」と心が通い合っていた方が、お互いにbad newsをやり取りしやすい。