General nephrologyのフェロー達がやってきて、腎臓内科が華やいでいる。不安と期待の混じった彼らにさっそくレクチャーが組まれており、CRRTに関するものに参加させてもらった。そのまま内容を写しても仕方がないので、目立った違いをいくつか。
・常時8-9台のCRRTがまわっているというだけあって、腎臓内科フェローが透析カテーテルを挿入することはない(ICUサービス、外科医などが挿入する)。理由の一つは、CV挿入のリスク管理が徹底しているだめであろう。入職前のトレーニング・モジュールもかなり厳しく、手技の一つ一つが確認できないと合格できないようになっていた。
また、「忙しいから無理(we've got too many things to do)」と集団的に言える文化も理由に挙げられるだろう。もちろん、透析オーダーは腎臓内科なしには開始できないようになっており、始めたい人が勝手に始められるようにはなっていない。
・血液流量が250-300ml/minと速い。この施設は全国的にも速く、抗凝固の必要を減らすためという。これにより、抗凝固を要する患者は10-15%まで減少したという。
・透析液はリスク管理と感染管理の観点から既製品を用いているが、カリウム濃度は2mEq/lと4mEq/lの2種類がある。また、高価なため採用はしていないが、リンを含む透析液もあるという。カルシウム・炭酸水素イオンと混在しても石灰化しない仕組みがあるのだろう。
・また、ナトリウム濃度は140mEq/lと決まっているため、高ナトリウム血症を維持したい脳浮腫患者では3%NaCl溶液をpost-filter(透析膜の下流)から流し、低ナトリウム血症を緩徐に補正したい場合には5%糖液を流す。※施設によっては透析液を蒸留水で希釈するところもあるという。
・透析機械は、Fresenius社傘下のNxStageを用いている(写真)。米国のCRRTと言えばBaxter社のPrismaflexシリーズの印象が強く、NxStageは在宅透析のイメージであったが、ポータブルで使いやすいようだ。同じように、在宅透析に新規参入したOutset Medical社のTabloシリーズもCRRTに用いられているという。ICUで始められた患者が退院後に在宅透析となった際などは、すでに患者が機械に慣れているため都合がいいらしい。
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