腎生検の手技は施設によって異なるため、様々な施設のやり方を知ると良いところを参考にできる。たとえば:
①穿刺針のガイドを穿刺針の太さと同じものにする。以前は「きつくならないように」と18G針より少し大きな(17Gや16G)ものを使っていた。ぴったりにすると非常に通しにくいが、そのぶん針が皮下でぶれないので、超音波画面に映りやすい。
※コツは、プローブの面とガイドの角度をよく見て、無理して入れようとしないことである。無理して入れると、途中でひっかかり、上手くいかない。最初のうちは「こんなところでつまづくとは・・」という気持ちになるくらい入らなかったが、徐々に慣れてきた。
②超音波プローブをちょうどよい位置に置いた状態で穿刺針を通す。以前は、穿刺針を通してからプローブを当てていた。しかしそれだと、腎臓からや麻酔した場所から位置がずれてしまう。
※穿刺針を通す場所を皮切することもない。ある程度の抵抗はあるが、適切な力をいれれば刺入できる。
③皮下に入った後も角度をぴったりガイドに合わせる。これをやらないと、針が反ってしまい、針先が画面に映りづらくなるのみならず、引き金を引いた後にうまく針先が刺さらないことがある。
この三つに気をつけることで、だいぶんI know what I am doingな感じになってきた。「説明できない奥義」のような腎生検の手技も、こうしてある程度かいつまんで解説すれば、未習熟な手技者のスキルアップにつなげられる。