7/13/2024

Soliciting a donor

 移植を希望して外来を受診しても、ドナー候補がいないということはよくある。しかし、米国のほうが献腎移植の待機時間が短いとはいえ、生体腎移植の方が圧倒的に短いことは言うまでもない。とくに、透析が必要となる前に先行的腎移植を受けたい場合には、生体腎移植のほうがずっと現実的である。

 ドナー候補がいないとはいえ、実はいるのかもしれない。米国には何親等までという制限もないので、声を掛け続けていたら見つかる、ということもある。そこで、どの施設も「ドナーを探す(英語では、懇請する、声を掛ける、を意味するsolicitと呼ばれる)方法」を紹介して、ソーシャルワーカーなどを通じて必要なリソースにつないでいる。

 とはいえ、いきなり友人にメールしたり、X(旧twitter)・Facebookなどに投稿しろといわれても、どうすればよいかわからない。そこで、こうしたリソースでは文例まで提示している。例を挙げると、こんな感じである。

 My name is ______. I have _______, which is a condition that has caused my kidneys to stop working. Because of this, ( I am at risk for being / I am on dialysis ), which I can take up to X hours of my week. I am hoping for a quality of life that will allow me to use those hours towards ( hobbies, spending time with loved ones - specific names, goals, upcoming life events ). One of the ways to make sure I can live my life to the fullest is to find a living donor. Please share this post in the event someone would be interested in getting evaluated to donate their kidney. This is truely a lifesaving gift. My family and I are grateful for the support!

 訳:__です。私は__という病状をかかえ、腎臓の機能がなくなってしまいました。そのため、私は(透析になり/ 透析になるリスクがあり)、そのため週にX時間を費やさなければなりません。私は、生活の質をとりもどし、その時間を(趣味、愛する人たちとの時間、目標、近々のライフイベントなど)のために使えるよう願っています。私の人生をできるかぎり充実したものにする方法の一つは、生体腎ドナーを見つけることです。もしあなたの周りで誰か腎臓を提供ための評価を受けることに興味のある人がいたら、この投稿をシェアしてください。これは真の意味で命を救う贈り物です。私と家族はその支援に心から感謝します!

 もちろん、この文章一つですぐにドナーが見つかるわけではないだろう。ただ、患者の事情と思いがしっかり込められているのは間違いない。そしてそれは、「たしかにそれは移植ドナーを見つけたいという気持ちにもなるだろう」という共感を得られるだろう。ドナー探しの際には、「私の信仰する教会はとても規模が大きいので、助けてくれる人がいるかもしれない(神様が助けてくれるかもしれない)」といった言葉を聴くこともある。何事も、始めてみないことには何も始まらない。