Banffカテゴリーは全部で5つあるが、①正常組織、②抗体関連拒絶、③ボーダーラインT細胞関連拒絶、④T細胞関連拒絶、⑤BKウイルス関連腎症というわけで、中心は②と④の二つである。そこで、まず④を概観する。なお、定期的に改訂されるBanffであるが④はほとんど変化がないので安心?である。
T細胞性関連拒絶はv(動脈内膜の炎症)の有無によりIとII/IIIに分けられる。Iは炎症がない(v=0)が、もちろん他の場所には炎症がある。すなわち、間質と尿細管に炎症がある(i≧2、t≧2)。
間質の炎症があると、尿細管どうしがback-to-backでなくなり、リンパ球が浸潤する。t≧2とは、その範囲が皮質の26%以上(50%未満が2、50%以上が3)ということだ。
尿細管に炎症があると、尿細管細胞のなかにリンパ球が巣食う。それが中等度(5-10個、t=2)だとIa、重度(10個以上、t=3)だとIbと呼ばれる。
これらの変化のみならず、動脈内膜にも炎症が有るものをII/IIIと呼ぶ。こちらも動脈内膜・内皮細胞にリンパ球が巣食うが、それが軽度(内腔の25%未満が喪失)だとIIa、中等度(26-50%が喪失)だとIIb、重度(50%以上が喪失)だとIIIになる。