7/23/2024

Long-term survival

  移植も透析も、腎臓の代わりをする治療であるから、患者が腎臓病で亡くなることは(治療を差し控える場合を除き)ない。では何で亡くなるのかというと、心血管系疾患、感染症、そして悪性腫瘍である。

 米国腎移植患者の死因第一位は、心血管系疾患である。感染死については、CMV・EBVウイルスなどの予防・監視・治療が確立したことや、免疫抑制薬を必要十分な量まで減量できるようになったことから、大分改善した。

 このことは、日本で透析患者の死因第一位が心血管系疾患から感染症に変わったことと比べて興味深い。大学でも病院でも「透析患者は免疫が低下している(immunocompromised)」と必ず習うが、具体的に何をどのように注意し治療したらよいのかとなると、はっきりしない。

 日本の透析患者は米国腎移植患者とくらべて高齢かつフレイルであり、その免疫力はさらに低い可能性すらある。透析施設はインフルエンザ・COVID・肺炎球菌ワクチン、足の傷チェック、毎月のレントゲンなど、さまざまに対策を講じているが、なかなか難しいのだろう。

 移植医療に携わりながら、なにかアイデアが浮かぶといいなと思っている。