電子カルテは大手のEpicを使っている。以前にも使ってはいたが、今回来て見ると、多大な進化を遂げておりまるで別物であった。特徴をここに書ききることなど到底できないが、患者診療だけでなくQI目的のツールがかなり充実しており、Epicのなかだけでかなりの質問に対して答えが返ってくるようだった。
とはいえ電子カルテの最大の目的は患者診療であり、ログインできないことには始まらないのであるが、なんと10個以上のトレーニング・モジュールをクリアしないとログインさせてもらえない。そんなわけで初日はモジュールに追われ、終わったと思ってITに電話すると「まだこれが残っている」と言われ、それもやって・・という具合であった。
なんとか開けたものの、最初は外来のスケジュールすら出せなかったが、とても電子カルテに詳しい先生が色々と必要な患者リストなどを入れてくれた。今回の一言は、その先生が何気なく口にした「時間のある時に、すべてのボタンを試しなさい」である(もちろん、テスト患者を使っての話である)。
山に例えれば、一般的な登山ルートを知っているだけでは、道案内とは言えない。ありとあらゆる道と、障害物と、道から外れたところを知り尽くしてこその、専門家である。そして、それを時間のある時にやるというのが大事なのだろう。少しずつ、色々試して経験を蓄えていくその差が、非エキスパートとエキスパートの分かれ目である。
というわけで、色々押してみたが、いまだに入院患者のリストすら出せない(笑)。同僚はその先生に入れてもらったというが、できれば自力でなんとかしたいものである。そして、もしその先生の力を借りるなら(おそらくそうなるだろうが)、そのやり方を覚えておこうと思う。
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