7/25/2024

忘れられない一言 72

  米国の外来は手厚いと言いつつも、医師が何もしなくてよいわけではない。大事な仕事の一つが薬に関するものだ。

 まず、薬をオーダーする。そして、適応病名、処方量(1日1回1錠なら、30錠・90錠など)、リフィル回数(処方箋なしで自動的に継続できる回数)、受け取る薬局(病院そばのこともあれば、自宅近く、あるいは郵送サービスの薬局なこともある)を指定する。

 そして、カルテにある薬のリストを最新のものに変更する。たいていは処方すれば反映されるが、変更した場合には今までの薬を削除し、用量を変えた(が薬は今あるものを使う)場合は新たに処方はしないのでリストを変更する必要がある。

 さらに、患者にわかるよう、AVS(after-visit summary)の注意事項に「この薬を中止する」「この薬を始める」などの文章を追記する。AVSは診察の終わりに渡される紙だが、次回診察や検査の予定だけでなく、ここに薬のリストや注意事項なども記載される。

 どの国でも、患者はたくさんの薬を処方されていることが多い。ある指導医の先生は"I am obsessed with med list"と言っていたが、そのおかげで(筆者が気づかなかった)用量調節の必要性に気づいたり、不要な薬を減らしたりするのを目の当たりにしているので、今は筆者もではなくちゃんと見るクセをつける最中である。