1/26/2013

I think I did a good job

 ついに始まったClinician Mentor Program、医学部二年生四人と私一人でセッションするというのは初めての経験で新鮮だった。まず彼らのパフォーマンスについて彼ら自身の印象を聞くと誰もが"I think I did a good job"と言うのにビックリした。そして人のパフォーマンスについて聞くと誰もが"I think he (or she) did a good job"という。
 そう、ここはアメリカ。別に彼らとて「俺ら完璧(指導など要らん)」と言っているわけではないのだ。だからここは「ぜんぜんgood jobじゃないよ?」などと言ってはダメである。「よくがんばったね、AとBが良かった、CとDはこういうふうにするともっと明確になると思うよ」とアドバイスすればよいのだ。
 最初は戸惑ったが、考えてみると「いやーやっぱダメですね…どうせ僕なんて…」などといわれるよりも、"I think I did a good job"と言ってくれたほうが「うんうんその調子、もっとよくして行こうね!」と前向きにアドバイスしやすいし、相手も「アドバイスありがとう、じゃあそうしてみる!」と取り組んで実際良くなっていくので楽だ。
 いったい私はどんなセッションをしているのか?これは問診技術、診察技術、カルテ記載技術、プレゼンテーション技術を鍛えることが目標だ。まだ医学部二年生だから指摘すべきところは無限にあるが、いかに効果的なアドバイス・訓練をするかを考えるよい機会でもある。
 たとえばreview of systemで何を聞いていいか分からないという。それで「各システムごとに4-5の症状があるだろう?それらがスラスラ言えるようにしよう。はいじゃあ、心血管系(の症状を言って)!」と一人ずつ指差して訓練。「主訴に関係する大事なシステムについては重点的に、他のシステムは1-2個ずつ聞いてみれば?」と具体的に提案してみた。
 問診・診察技術でも「症状がいつから始まったか聞くのはいいが、どうして始まったかも探偵のように出来るだけ調べよう、さもなければ予防できない」「患者さんの心情に人間として対応してほしい、そうしないと問診が尋問になってしまう」など、自分が最も改善してほしいと思うことにフォーカスした。
 そしてプレゼンテーション技術の上達は、私が最も好きな(Toastmasterだからね)訓練で、一人がプレゼンし、一人が時間を計り、一人が不要な言葉(umなど)を数える。皆が、どうしたらもっと良くなるか考えて私に質問する。昨日は5分プレゼンを4回、1分プレゼンを12回聞いて、それぞれ良いところと改善点を指摘し、私にとってもよい訓練だった。