2/01/2008

多角的にみる

 来年度から担当を外れる患者さん(おおくは高齢者)たちに、外来でその旨お話しする。お別れの間際になって、患者さんがどんな生い立ちで、誰とどこに住んでいて、何に愉しみをもって暮らしているのかを話すようになった。時間の制約と、主訴と関係ない「無駄話」をすることの罪悪感がそうさせたのかもしれない。そんな話をするよりも、症状の話をよくきき病気の原因を考えろと。
 たしかに医者の仕事は話し相手ではない。医療者としての自覚を持つ意味でも自戒は必要である。しかし、患者さんの背景や、患者さんがどういう気持ちや理解でいるかを知らなければ治療もうまくいかないことが多い。もっと早くに訊いておけばよかったと思う。
 先日、米国で老年医学を学んだ先生からcomprehensive geriatric assessmentについて学んだ。physical health, mental health, function, social problemに大別して評価すべき項目を順に説明してもらった。このような系統的なリストが他業種間で共有されれば、外来診療が豊かで実効的になるであろう印象をもった。