11/07/2009

Thin red line

 CCU(循環器の集中治療室)では、患者さんが日常的に亡くなる。もともと重症だから、うまくいかなくても仕方ないと言い易い。でも本当にベストを尽くしたのか、といつでも自分に問いかける。診断は正しかったか、治療は正しかったか、判断は正しかったか。生死の境が狭い領域では、判断ひとつ、チーム医療の鎖ひとつが途切れてもうまくいかない。

 今日も患者さんが亡くなった。朝は元気だった患者さんだった。すべてが終わった後で、こうすればよかったのにと思った。思っただけじゃだめだ。行動につなげなければ。帰りのクルマの中で、Stevie Wonderの"Heaven Help Us All"が聞こえてきた。ゴスペル調の曲を聴きながら、ああ患者さんは今頃天国にいるのかなあ、とふと感じた。