新しい職場で仕事を始めて一週間が過ぎた。まず、米国腎臓内科フェローの仲間には卒業後に腎臓内科の仕事につけない人も多いことを考えれば、腎臓内科医として働けることが何より幸せだ。さらに、教える仕事にも付かせてもらえて、こんな有難い恵みはない。さらにさらに、教える人たちの成長が目ざましくて毎日楽しい。
といっても、いきなり腎臓生理学を一から教えようとか、そういうことばかりではない。今の環境に求められること、患者さんの診療に役立つことも教えている。効率的な働き方とか、プロブレムの立て方とか、臨床推論とか、不確定要素があるなかでの臨床判断とか、カルテ・サマリーの書き方とか、ベッドサイドマナーとか。
その吸収が、速い。よく「乾いた大地に水を注ぐ」とか言うが、乾いた大地に水を掛けても土が濡れるだけだ。それが、いまは豊饒な大地で種子のあるところに水を注いでいる感じ。私はいまの職場で「置かれた所で咲きなさい」という素晴らしい言葉を教わったが、置かれた場所で咲き咲かせ、仲間とともに成長したい。