12/04/2014

忘れられない一言 26(aka the true poetry of life)

 医師として働くことは、自分の得た知識と経験をつかって人のためになり、尊敬されお金にも困らないが、勤務時間もながくストレスもたまりきつい仕事でもある。時にはほかの職業で楽をしてお金もたくさんもらえる人がうらやましく思えたり、そもそも自分はどうしてこの職業を選んだろうと自問することもあるだろう。そんな時に、Osler卿がこんなことを言っている。

Nothing will sustain you more potently than the power to recognize in your humdrum routine, as perhaps it may be thought, the true poetry of life - the poetry of the commonplace, of the ordinary man, of the plain, toil-worn woman, with their loves and their joys, their sorrows and their griefs.

 患者(と家族)の人間サイドに気づくこと。医師こそは患者の心の部分、ソフトな部分を知る特権を持っている。これを助けにすれば前向きに医師としてやっていけると著者は言う。そのために、患者(と家族)とのやりとりで得たヒューマンな部分を日誌に書き記すのがなお良いと著者は言い、これについては以前にも触れた。私の「忘れられない一言」シリーズもそこに影響されて始まったものだ。