2/02/2011

PLGE

 SLEの患者さんで、数ヶ月前から徐々にprednisone、MMF、hydrochroloquineをやめていった人が一カ月続く嘔吐と下痢で再来院した。再来院というのは、数日前に一度入院したが、そのときには補液で気分がよくなったので勝手に帰ってしまったのだ。当時の便検査では感染を示唆する所見はなく、自己抗体でもCeliacやIBDを示唆するものはなかった。
 一か月続くという時点でおかしい。SLEの胃腸症状で文献にあたると、mesenteric vasculitisについで多いとされるprotein-losing gastroenteropathy(PLGE)が最も当てはまる。アルブミン値も低く、重度の脱水にもかかわらず下肢浮腫がみられ、CT所見もnonspecific colonic wall thickeningでぴったりだ。診断はTc-99m albumin scintigraphyで、うちの病院で出来るか核医学の先生に聞いてみようと思う。
 IBD(炎症性腸疾患)も考えたが、そもそもSLEとの合併は稀とのことで、CT所見・症状もあまりしっくりこない。おそらくコンサルトした消化器内科医が内視鏡したがるだろうが、low yieldだろう。シンチグラフィで確定診断がつけば良い。PLGEはステロイドが著効するらしいので、そうであってくれればよいと思う。