というわけで、レクチャでは論文を探すもっとも簡単な方法と、その次に簡単な方法を紹介した。最初のもっとも簡単な方法とは、ひとに聞くことだ。研修医なら研修医どうしで聞いてもいいし(これは私が初期研修したところではSHAREの精神と呼ばれている)、指導医に聴いてもいい(こないだ指導医講習会では「研修医の相談は指導医の勲章」という言葉を聴いた)。指導医は全国・世界に広いネットワークを持っているから、たとえ自分が知らなくてもお友達に聞ける。学会などもそのためにあり、腎臓内科で言えばCJASNやAJKDには教育的な記事が多くて助かっている。
とまあ、「論文を探すいちばん簡単な方法はひとに聞くこと」なんて一休さんみたいなことを言って、実際自分で調べるときはどうするの?それが次に簡単な方法だ。自分で論文を探すリソースはたくさんあるが、私が最もよく使う(そしてもっと知られていいと思う)のはGoogle Scholarだ。私の印象ではGoogle Scholarで検索すると、Pubmedよりも「おいしい(relevantな)」論文を先に返してくれる。「何年以降の論文」という条件をいれるのも簡便だし、「その論文を引用している論文」に飛ぶのもたやすい。そこからPumbedサイトを介して雑誌サイトに飛んで、(もしあなたの病院が購読していれば)PDFをゲットすればよい。
そのあといろいろ質問がもらえてこちらもやり甲斐があった。なかでも「どんなふうに検索キーワードを選べばいいの?」という質問と「たまっていく論文(PDF、紙)をどうやって管理すればいいの?」という質問がきて嬉しかった。最初の質問だが、検索ワードの選び方には実は英語力が求められると思う。しかし何かアドバイスせねばと思い「論文のタイトルになりそうなのを入れてみたら」と回答した。二つ目の質問だが、わたしは管理しきれないのでもはや論文は引用できるよう「雑誌、年、巻、ページ」だけ書き留めて、必要なときふたたびダウンロードするようにしていると答えた。できるひとはDropbox®とか大容量ディスクとかスキャナとか色々試したらいいだろう。