6/16/2015

見つけてしまうの(aka independent assessment)

 うちの外来には「結果説明」という枠がある。最初は意味が分からなかった。どういうことかというと、別の日に別のドクターが患者さんを診て検査計画を立てるが、その結果を同じドクターが説明できないので代わりのドクターにお願いするということだ。たとえば血液検査をして結果がすぐ出ず、後日説明しようにも患者さんが次の週の同じ曜日に来られないとか、上部(下部)内視鏡を別の日に予約したが、再診の日を待たず検査当日に患者さんが結果を聞きたいというような場合だ。

 個人的には自分が診た患者さんで自分が検査計画を立てたのなら自分がフォローするのがよいと思うが、患者さんにもお医者さんにも色々と都合があるので仕方がない。因みに私はこれを嫌がっているのではない。たしかに消化管内視鏡の所見など私にはさっぱりわからない(私は天地がひっくり返っても消化器内科医にはなれないと思うし、だから消化器内科医が出来る人を尊敬している)から、結果説明と言っても消化器内科の先生が書いたレポートを電子カルテから開いて患者さんの前で読み上げる以上のことはできない。

 しかし、私にもできることというのはあって、それは前医が知りも想像もしなかったことをどういうわけか見つけて診断してしまうことである。「後医は名医」という言葉もあるから、後から診る医者は前に見た医者よりも正確で深い見立てができなければならない。だから「検査説明お願いします」といわれて「はいそうですか」といって検査説明しかしないということは、私には到底出来ない。かならずindependent assessmentを行うことにしている。そして怪しいと思う十分な根拠があったら、無駄に「様子を見る(=何もしない)」のではなく、必要な行動をおこすようにしている。