日本腎臓内科学会の総会にきたが、同学会は2006年から男女共同参画委員会活動を始めているそうで、今年も同委員会の企画プログラム『腎臓学会の男女共同参画の未来~子育て支援からキャリア支援へ~』があった。まずUN Womenが財界、政界、学界から10人ずつ女性の支援に貢献する男性を選ぶHeForShe IMPACT 10x10x10 initiativeのなかで日本人で唯一名古屋大学の学長(腎臓内科の先生)が選出されていたことを知った。
知らなかった人も多かったようで(私も知らなかった)、会場にいた人たちはみんな拍手した。名古屋大学は早くから女性が働ける環境づくりに着手してきたらしく、大学運営の学内保育園や常時型学童保育、子育てタクシー、夕方5時以降の会議禁止などをいち早く実現してきたそうだ。すごいなあと思った。
そのあと日本女医会長の先生が講演されて、自助・互助・共助・公助の側面からどう働く女医をサポートするかについてお話された。保育サポーター制度というのがあるのをはじめて知った。ただし、それでもまだ女性がキャリアを形成していくのが難しいのには、女性自身の意識、家族の限界、カバーする職場の限界(日本の医療現場はとにかくただでさえ忙しいのだ…)などがあるということだった。だから「一事で万人に適するものはない、各自にふさわしいものを探せ(Johann Wolfgang von Goethe)」、ケースバイケースにやるしかない。
最後に学長が締めのスピーチをされ、①男女共同参画は社会全体の問題で社会のほうが医学界より意識が高い(経団連はこれから労働人口が減るので日本もスウェーデン並みにしないともたないといっている)、②多様性をみとめない男性社会はだめだ、③男性も女性も幸せになれないといけない、とのことだった。たしかにいまの職場もスタッフは全員男性だが、それを意識することがなかった(大学でフェローしていたころは女性スタッフも多く活躍していたが)。
女性がスタッフとして残って活躍してくれるような環境づくりというのも、これからの時代はちゃんと意識する必要があるなと思った。それだけでも学会に来た甲斐があった。