いまの職場にいると、自分がいかに曖昧に成長してきたかを痛感しうろたえる。ここの指導医は、きちんとした教え方ができる。それはきっと彼らもきちんと教わったからなのだろう。漏らしのないよう知識をリストまたは語呂合わせで教えるので、教わるほうも感心して安心して内容をメモれる。また、重要なエビデンスとガイドラインが完璧に頭にインストールされているので教える側も自信を持って教えられる。
私も医学生時代はカレント2003を読み、レジデント時代はpocket medicineの第一版(赤いの)を読み、卒業前にはMKSAP15の教科書を読み問題も全部解いた。しかし忘れるものは忘れるし、医療は日進月歩である。私が腎臓内科の専門医教育を受けていた間、また韓国語短期留学していた間もずっと日米両方の良いとこ取りをした総合内科を学び教え、鍛え磨きつづけた彼らにかなうわけがない。
また、学び直さなければならない。しかし、焦っては駄目だ。それから、自分がやってきたことにも自信を持たなければならない。焦りや羨望、劣等感が生じるのは仕方ないにしても、それをうまく処理する。人間関係をちゃんとつくってサポートを維持する。レジリエンスに関する本を読む。できることはできるし、できないことはできない。自分の強みと弱みを理解して、強みを磨き弱みを平均くらいにできればいい。