8/09/2016

Can't Take Away Dignity

 Greatest Love of AllといえばWhitney Houstonの曲だと思っていたが、彼女が1985年に発表して各国のチャートをさらう前、George Bensonが1977年に出したのがオリジナルだった。いずれにしてもその歌詞には「私はずっと前に誰かの影は絶対に生きないと決めた。失敗しても成功しても、少なくとも自分が信じるように生きた。私から何をとっても、私の尊厳だけは取ることができない」という節がある。ここで強く歌いあげられた「尊厳」がdignityという語である。それくらい、dignityというのは重要な概念だと私は思っている。
 だから、患者さんのケアにおいてこれが妥協される状況を私は忍容することができない。角が立たないように自分が患者だった時のことを話すが、たとえば受診したクリニックで医師が「では胸の音を聴きますね」というなり、どんな資格をもっているのか知らない助手が服を勝手にまくり上げ、「じゃあ背中」というなり丸椅子を回したとき。しかもそこに「時間がないんだよこっちは」という気持ちが見え見えなとき。
 患者さんはモノじゃないし、買い物に来たお客さんでもない。苦しくて来ている人だ。優しい声掛け、怒りもやりきれなさも受け止め理解しようとすること、共感すること、肩に手を当てるなどのしぐさ、といったマナーは当然だと教えられて育った私はほんとうに幸運だと感謝している。指導医と患者さんがフィードバックしてくれた。ただ患者さんからのフィードバックは日本では難しいかもしれない。そもそも患者と医師で椅子が違う(図;元はこちら)ところからして、私などはおかしいと思ってしまう。