nativeの先生が患者さんに何かを説明するのを聞いて、あるいは普段の会話でもそうだが、誰もみな、へんな言い方だが「必ずしも流暢ではない」のに気づいた。ひとつの文章が完結する前に別の文章にうつったり、説明すべきことの周辺事実までふくめながら説明したり、同じ内容を何度も言い換えて説明したりする。話を聞くほうも、そのほうが情報も多いし分かりやすいだろうと思う。
make yourself understood、というが、自分の考えを相手に理解してもらうには、その内容をただ訳して一遍話すだけではとうてい不十分なのだとハッとした。手を変え品を変え、簡単には話題を変えさせずに何とか分かってもらう一生懸命さが必要だ。「英語が話せる」人というのは、語彙や文法よりも、その一生懸命さのある人だ。他の人たちを見ていて、実際そう思う。
人と外国語と音楽が好きで、世界に通用する実力と癒やしをもったお医者さんを目指しています。国内外いろんなところでいろんな経験をしてきて、逆境も多かったけど、そのぶん得られたしなやかな強さと優しさをもって、周りの世界を少しだけ幸せにできたらなと思っています。
2/12/2009
2/10/2009
それはちょっと
病棟業務もカタがついた夕方、ポケベルに「研修医ラウンジに食事があります」というメッセージが届いた。製薬会社からの差し入れのことがほとんどだったが、最近は禁止されているのでほとんどなかった。顔を出してみると、制服を着ていた空軍関係者(衛生部門という)の男性と女性が一人ずつ待っていた。握手するなり、名前と住所などを記入することになっていた。用意されていたのは粗末なサンドイッチ。あきらかに怪しい。軍関係のリクルーターは徹底的だと噂に聞く(とくに新兵勧誘)し、丁重にお断りしその場を去った。
しかし、一緒に来た同僚たちは全く怪しまずに個人情報を渡し、立ち去る私を非常に奇妙がっていた。振り返ると、周囲の人たちはこれまでも、簡単に会員になったり、カードをつくったり、アンケートに答えてタダの景品をもらったりすることに抵抗がほとんどない。そういうものかもしれない。
しかし、一緒に来た同僚たちは全く怪しまずに個人情報を渡し、立ち去る私を非常に奇妙がっていた。振り返ると、周囲の人たちはこれまでも、簡単に会員になったり、カードをつくったり、アンケートに答えてタダの景品をもらったりすることに抵抗がほとんどない。そういうものかもしれない。
2/04/2009
on call
当直中、いろんな状況で病棟から呼ばれる。何が起こっているかわからないのに「患者さんが鎮痛剤をほしがっているからオーダーしてくれ」のような電話がかかってくる時が困る。他の患者さんの対応をしている時にはすぐに患者さんを見に行けない場合もあるが、それでもバイタルサインなどを聞いてsickそうなら直接診察してどうすべきか判断しなければならない。
先日は2人の患者さんをMICU(medical ICU)に送った。別の日にも、夜中に緊急のCTを撮って対応することがあった。1人は結局そのあと手術になった。いずれも、「吐いているなら吐き気止めを飲んでもらってください」のような対応をしていたら見逃していた。診察して、おかしいと思ったら迷わず検査して確かめる。別のチームの患者をカバーしているときなどなおさらだ。
ちなみに夜中にやれCTだ注射だとバタバタするときの動きやすさは圧倒的にいまの病院のほうがいままではたらいた病院より優れている。とにかく人がたくさんいる。日本のように薬を薬剤部に取りにいき、CTに患者さんを連れて行き、採血するのも注射するのも全部医師が1人でしなければならないのは大変だ。そのかわり、いまの病院のほうがひっきりなしに呼ばれるが(カバーしている患者さんの数が多いため)。
先日は2人の患者さんをMICU(medical ICU)に送った。別の日にも、夜中に緊急のCTを撮って対応することがあった。1人は結局そのあと手術になった。いずれも、「吐いているなら吐き気止めを飲んでもらってください」のような対応をしていたら見逃していた。診察して、おかしいと思ったら迷わず検査して確かめる。別のチームの患者をカバーしているときなどなおさらだ。
ちなみに夜中にやれCTだ注射だとバタバタするときの動きやすさは圧倒的にいまの病院のほうがいままではたらいた病院より優れている。とにかく人がたくさんいる。日本のように薬を薬剤部に取りにいき、CTに患者さんを連れて行き、採血するのも注射するのも全部医師が1人でしなければならないのは大変だ。そのかわり、いまの病院のほうがひっきりなしに呼ばれるが(カバーしている患者さんの数が多いため)。
おいしいたまご
当直中はサラダをたべている。当直明けの翌朝は、たいていpumpkin pieかsweet potato pieを食べていた。今日は初めてGrillのコーナーに並んでomletを注文した。卵3個を鉄板に落とし円く焼いたものに、スイスチーズを何枚か載せて、とろけたところで折りたたむように返して作っていた。とてもおいしかったが、卵3個はちょっと多い。こんどは卵1個でつくるスクランブルエッグ、あるいはegg and cheezeにしてみよう。
1/22/2009
一安心
年末に受けた試験の結果がメールで送られ、無事受かっていた。今回の試験は点数よりも受かることがまず大事で、二年目になるまでに合格しないとレジデンシーから下ろされてしまうものだったのでほっとした。Step1から約4年、これでアメリカの医師国家試験は終わりである。あとは内科学会の認定医試験などがある。
試験は外来診療に重きが置かれており、検診(大腸カメラは何歳からするか、その結果に応じて何年おきにするか)やいわゆる生活習慣病(コレステロール、血圧、血糖、心臓病)がおおかった。また女性医療(経口避妊薬は誰に勧められるか、どんな副作用があるか、妊娠時の検診、更年期など)に関する問題も非常におおかった。
試験は二日間で、択一が300問くらいと、シミュレーション試験(ゲームのように各症例に対して必要な検査や薬をオーダーして診断、治療していくというもの)があった。後者は、試験対策が不十分と心配していたが、日常診療をしていたことが十分対策になって、実際はあっという間に終わった。
試験は外来診療に重きが置かれており、検診(大腸カメラは何歳からするか、その結果に応じて何年おきにするか)やいわゆる生活習慣病(コレステロール、血圧、血糖、心臓病)がおおかった。また女性医療(経口避妊薬は誰に勧められるか、どんな副作用があるか、妊娠時の検診、更年期など)に関する問題も非常におおかった。
試験は二日間で、択一が300問くらいと、シミュレーション試験(ゲームのように各症例に対して必要な検査や薬をオーダーして診断、治療していくというもの)があった。後者は、試験対策が不十分と心配していたが、日常診療をしていたことが十分対策になって、実際はあっという間に終わった。
1/18/2009
考えること
華氏5-15度(摂氏零下10-15度)の寒さが続く。昨年来たときより寒い気がする。とはいえクルマ通勤の私はまだよいのであるが。仕事はそれなりにやっている。いまの課題は、さまざまな状況に合わせてプレゼンテーションやカルテのボリュームと形式を変えることだ。臨床上の問題点が多い患者ほど必ずしも重症とは限らない。アクティブでない問題点については簡単に、アクティブでかつ重症な問題点についてはより詳細にカルテを記載し、プレゼンする必要がある。
そうしないと効率的に働けない。朝来てから回診するまでに、今日一日の方針を決定するに足る診察結果、検査結果、各科医の意見などを集めるのが仕事である。「患者さんが良くなっているか?」「悪くなっているか?」「良くするにはどうしたらよいか?」その問いが大前提にあって、考えながら診察しなければ意味がない。当たり前のことだが、いま改めてその訓練をしている。
そうしないと効率的に働けない。朝来てから回診するまでに、今日一日の方針を決定するに足る診察結果、検査結果、各科医の意見などを集めるのが仕事である。「患者さんが良くなっているか?」「悪くなっているか?」「良くするにはどうしたらよいか?」その問いが大前提にあって、考えながら診察しなければ意味がない。当たり前のことだが、いま改めてその訓練をしている。
12/21/2008
I could have danced all night
内科のホリデイパーティに行ってきた。球場のVIPルームのようなところがパーティルームになっており、窓からは芝生と観客席が見渡せた。そこに食事とバーがあり、中央はダンスフロアになっていて正面にDJがいて音楽を流していた。
この日ばかりは皆いいことばかり言う、お互いをほめあって、近況を話し合う。いつも白衣姿しかみない仕事仲間がドレスやスーツを着ているのが新鮮だ。そして、後半からはダンスフロアで踊り続ける。私も少し参加した。
こちらにきて半年。ずっと「このままではいけない」「こんなことでよいのか」「もっとこうしなければ」と思いながら過ごしてきた。新しい環境に適応するのはいつでも大変で、それは私に限ったことではない。「これでいい」「大丈夫」と硬くしていた心と身体をほぐすのも大事と知る。
ときには小さな船にのって見渡す限り大海原のまんなかにいる気持ちになる。でも自分は自分だし、いまここで人々や地域とつながりながら生きている。つながっていないように思っても、実はつながっているのだ。はや半年。もう半年すれば、まただいぶん慣れるだろう。
この日ばかりは皆いいことばかり言う、お互いをほめあって、近況を話し合う。いつも白衣姿しかみない仕事仲間がドレスやスーツを着ているのが新鮮だ。そして、後半からはダンスフロアで踊り続ける。私も少し参加した。
こちらにきて半年。ずっと「このままではいけない」「こんなことでよいのか」「もっとこうしなければ」と思いながら過ごしてきた。新しい環境に適応するのはいつでも大変で、それは私に限ったことではない。「これでいい」「大丈夫」と硬くしていた心と身体をほぐすのも大事と知る。
ときには小さな船にのって見渡す限り大海原のまんなかにいる気持ちになる。でも自分は自分だし、いまここで人々や地域とつながりながら生きている。つながっていないように思っても、実はつながっているのだ。はや半年。もう半年すれば、まただいぶん慣れるだろう。
10/27/2008
評価
年に2回の、program directorとの面接(評価)があった。そこでは、各月ごとの指導医や先輩研修医からの評価を平均したものが発表される。10段階中の5とか6とかいう評価は、ある程度客観的なものとみなされているということだ。A先生は5、B先生は6と評価したので平均は5.5という具合だ。また経験を積むごとに5.5が5.8という様に、向上していくことが期待される。
それよりも低く自己評価している場合はunderestimate、卑下ということになる。「自分なんてまだまだ」といって低い評価をつけているのは、正しい自己評価ができていないということで決して良いことではない。研修医が終われば、だれも月ごとの客観的な評価などしてくれないのだ。目標は生涯をつうじて自分で自分を正しく評価して質を高めてゆけることだ。
逆に、人を評価することにも慣れなければならない。すでに病棟で実習している医学生の評価シートを何人分か記載したが、「自分に厳しく人に甘く」で何でもかんでも10点10点・・とやりがちだ。ちゃんと見てくれていないということで相手を失望させることにもなる。でも、4点と書いて学生が不服と考えれば、彼らには評価の理由を質す権利がある。すべてはassertivenessに通じる。
それよりも低く自己評価している場合はunderestimate、卑下ということになる。「自分なんてまだまだ」といって低い評価をつけているのは、正しい自己評価ができていないということで決して良いことではない。研修医が終われば、だれも月ごとの客観的な評価などしてくれないのだ。目標は生涯をつうじて自分で自分を正しく評価して質を高めてゆけることだ。
逆に、人を評価することにも慣れなければならない。すでに病棟で実習している医学生の評価シートを何人分か記載したが、「自分に厳しく人に甘く」で何でもかんでも10点10点・・とやりがちだ。ちゃんと見てくれていないということで相手を失望させることにもなる。でも、4点と書いて学生が不服と考えれば、彼らには評価の理由を質す権利がある。すべてはassertivenessに通じる。
振り返り
5分でよいから新患を取ったときに関連するUpToDate(診断や治療について簡潔にまとめられたデータベース)を読もう、と薦められた。これは複数の指導医がアドバイスしていたので「患者さんの疾患、治療について勉強する時間がない」と嘆く研修医に対する最も基本的なアドバイスなのだろうと思われる。
また、ある指導医の先生は"Interns and students, this is your team."とおっしゃり、カルテには自分の思うこと、こうしたらよいという方針などを具体的に大胆に書きなさい、Roundでも、自由に思うことを述べなさい、とのことだった。「馬に上手に乗れるようになる方法は、馬に乗ることだ」というたとえ話も別の先生から聞いた。
自信なく、間違えをおそれて黙ったりオドオドしていると余り良い仕事は出来ないのに対し、ハキハキと思うことを述べたり分からないことを聞いたりしたほうが仕事がはかどる。わかっているのだが、ハキハキした人を見ると閉口してそっぽを向きたくなる、心のじめじめした部分…。
Assertiveな態度、aggressiveではなく。自分の考えを率直に伝えることがconflictを生むのでは、とか、波風を立てたくない、という気持ちでいると、結局は自分が何を考えているかを相手に推測させることになり、それは実は相手にとっては不快なのである。
また、ある指導医の先生は"Interns and students, this is your team."とおっしゃり、カルテには自分の思うこと、こうしたらよいという方針などを具体的に大胆に書きなさい、Roundでも、自由に思うことを述べなさい、とのことだった。「馬に上手に乗れるようになる方法は、馬に乗ることだ」というたとえ話も別の先生から聞いた。
自信なく、間違えをおそれて黙ったりオドオドしていると余り良い仕事は出来ないのに対し、ハキハキと思うことを述べたり分からないことを聞いたりしたほうが仕事がはかどる。わかっているのだが、ハキハキした人を見ると閉口してそっぽを向きたくなる、心のじめじめした部分…。
Assertiveな態度、aggressiveではなく。自分の考えを率直に伝えることがconflictを生むのでは、とか、波風を立てたくない、という気持ちでいると、結局は自分が何を考えているかを相手に推測させることになり、それは実は相手にとっては不快なのである。
グラフィック
学会(地方会)のポスター発表を控え準備している。日本にいたときは、A4普通紙で何枚にも分けて作ったものを当日貼りあわせた。今回は病院にcommunicationなる部署があって、新聞紙4枚分ぐらいのおおきな、表面のコーティングされた紙に印刷してくれる。原稿を持っていったら、ポスター担当の人が「ここの字はもっと大きくしたほうがいい」とか色々アドバイスしてくれた。図工のようで楽しい。
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