2025年3月26日付で、New York Timesに、レバノン国籍の腎移植内科医が帰国後に再入国を拒否されたという記事が載った。レバノンに帰国後に何か月も再入国できなかった、旅行はアメリカ国内に限るようにしている、といった話は聞いたことがあったが、入国できずに勾留され追放されたという話は初めてでびっくりした。
それもさることながら、この記事で私がもう1つ注目したのは、最後に加えられた訂正文だ。この医師は腎移植内科医であるが、記事は腎移植外科医としていた。そして、「外科医はスケジュールが大変すぎてアメリカ人のなり手が少ない」といった説明をしていた(現在は差し替えられている)。
移植外科と腎臓内科のあいだにある、腎移植内科医は、アメリカですらまだ一般には知られていない。一般の人々に腎移植内科医だと言っても、じゃあ移植しているのか?と聞かれることは多い。「腎臓内科医のASN、移植医のASTともちがう、ASTN(American Society of Transplant Nephrology)という団体を作って、認知度やプレゼンスを高め、ロビー活動なども頑張ろう」という機運もある。