レストランに行ったら、救急外来とレストランは類似していると思った。提供する行為は違うが、客(患者さん)の流れが似ている。レストランでは、ウェイターがテーブルに注文を取りに来て、それを厨房に伝え、料理を運ぶ。ときどきテーブルまで来て料理を気に入ったか聞き、デザートの注文をとる。最後に会計をして、客が居なくなるとテーブルを掃除して次の客が入る。
救急外来も、私が診察室に入ってきた患者さんのところにいって訴えを聞く。指導医に報告し、方針をたてて検査や治療を行う(ここは看護師さんがしてくれる)。ときどき患者さんの様子を見て、検査結果を伝えたり症状が改善したかを聞く。最後に、入院するか、帰宅するか、帰宅するなら薬は処方するか、後日どこを受診するかを伝える。患者さんがいなくなると、診察室のhousekeepingをして次の患者さんが入る。
レストランでは、客が給仕の満足に応じてチップを払う。病院では、それはない。だって、医師が提供するのは医療であり、正しい診断と治療を行い正しい知識を与えることだから。でも患者の訴えを聞いたり、共感したりで満足してもらうことも重要だし、場合によっては患者さんの都合や信念に妥協することもある。