実は救急外来で、看護師さんに「あなたほど丁寧は人は初めてだ」と言われている。とても大事なことだ、意図的にやっている。患者さんは、時として切迫感と待たされる不満とでniceでないことがあるので最初のうちはびびって奥手にやっていた。
しかしそれでは駄目で、先回りして「待たせて申し訳なく思う」「痛みはどうだ」「困っていることはないか」と伝えなければいけない。そうすれば「いやいや、忙しいんだろう」「少しはいい」「ありがとう」と返ってくる。そういう意味では、日本よりずっと辛抱強く理解がある。
なんといっても、残念だけれど、病院で患者さんは弱い立場にあって、受身の立場にあるのだ。だって病気なんだから。医療従事者の仕事は、それをadvocateすることである。取り除ける不満は解消し、不安は共有して、ときに笑いに変えて、一緒にいて過ごしやすい人でなければならない。
それでか、患者さん医療従事者との会話はおどろくほど雰囲気が明るい(もちろん毎回ではないが)。軽いともいえる。表面上はとにかく大変フレンドリーという、アメリカ的コミュニケーションの真髄か。いやなことを笑い飛ばすなんて、なんだか大阪みたいでちょっといいなと思う。