Non-convulsant status epilepticus(脳内はけいれん状態だが身体は動いていない)の患者さんを診た。脳波検査をしてわかるまでの数日間、何がおきているのかさっぱりだった。というのも患者さんは、聞かれた質問に対して5-10秒だまったあと答える(「どこにいますか?」「…病院」)ものの、その後数分のあいだは、何を訊いても同じことを反復して答え続ける(「名前はなんですか?」「…病院」)。これは英語でperseveration(保続)という。CT、MRI、脳脊髄液検査はいずれも異常なく、脳波でやっと判った。神経内科レジデントによれば、保続はnon-convulsant status epilepticusの一症状らしい。つぎの質問は、「なぜ患者さんがけいれんしなければならないのか」である。いまのところtoxic metabolic encephalopathy、あるいはlimbic encephalopathyが疑われる。