FACE programの第二回はプレゼンテーションについてで、hook(つかみ)の話に終始した。というのも、レクチャは(日本でもそうかもしれないが)もはや過去の遺物くらいに思われていて、まず最初に聞く人の関心や注意を引かなければ、聞いてもらえず、まして理解もしてもらえないというわけなのだ。私はレクチャは効果的な学びの機会と思っているので意外だった。
レクチャは、ただ聞いたのではだめだが(かくいう私もつまらないと良く寝ることで有名だ…)、その場でメモを取り、分からないことは質問するか自分で調べ、忘れないように別の場所にまとめて整理して書き残し、さらに他の人に説明まですれば、かなり有益と思う。問題は、どうしたら聞き手がそこまで真剣に聞いてくれるかだ。
それには、レクチャする人がレクチャ内容をよく知っているのみならず、それを分かりやすく説明することができ、さらに聞き手がどれだけ理解したかを大事にしていることが必要だ。Sir William Oslerは言う、"The successful teacher is no longer on a height, pumping knowledge at high pressure into passive receptacles... he is a senior student anxious to help his juniors."(BMJ 2003 326 437より)。これだ!