ヒポクラテスの書いたとされる著作は、彼の死後200年以上たってギリシア人がアレクサンドリア図書館を建てたときに当時の医学著作をCorpus Hippocraticumと総称したものだから、そのすべてが彼の書いたものではないと考えられている。
まあこういうことは古い歴史ではよくあることだが、その著作の中に警句集(Aphorisms)というのがあって、200以上の警句が載っている。有名な"Life is short and the art is long"もその一つだが、これには続きがある;
Life is short and the art is long, the occasion fleeting, experience fallacious, and judgement difficult. The physician must not only be prepared to do what is right himself but also to make the patient, the attendants, and externals cooperate.
全体を読むと、この警句が言いたいことは「人生は短いんだから自分の技を急いで磨け」というのもさることながら、「自分ひとりで出来ることには限りがあるから患者、医療チームとよく協調し外的環境を利用して最善の判断を下せ」というふうに思える。