10/31/2014

忘れられない一言 16(aka ヒポクラテスの誓い)

 ヒポクラテスの誓いは私が紹介するまでもないが、この本によればアメリカの医学部では卒業式でこれを宣誓すると書いてある。患者に善を施す(beneficence)ということは当時も今も変わらないが、中絶と安楽死については議論のあるところだろうから、宣誓をためらう人もいるのではないかと思ってしまうが。本当かな。
 誓いではそのあと患者と堕落した関係を持たないこと、守秘義務などが続く。守秘義務は米国ではHIPPA(Health Insurance Privacy and Portability Act)が1996年に制定され、日本でも個人情報保護法が2003年に成立したことはいうまでもない。それはいいとして、私が今回誓いを改めて読んで納得した部分はここだ;

 ... by precept, lecture, and every other mode of instruction, I will impart a knowledge of the Arts to my own sons ...

 アメリカの医学教育を語る上で教えることが当たり前に考えられているのは、国民性や文化の違いもあるだろうが、やはりヒポクラテスの誓いもその根底にあるのではないかと思った。私もアメリカの医学部には行っていないが医学教育は受けてきたのでこの誓いを受け継いだと信じているし、別にアメリカに行かなくてもこの誓いは当てはまるべきだと思う。