3/07/2015

私達のチームへようこそ(^o^) 2/4

2.プレゼンの仕方
 先生の一番の見せ場、それは回診時のプレゼンです。私達は先生に、カルテと同様なSOAPフォーマットを求めます。すなわち、 
S(ubjective):患者さんの症状
O(bjective):客観的なデータ
A(ssessment):アセスメント
P(lan):プラン 
 です。それぞれについて簡単に説明しましょう。 
S:「よくなった」では何がどう良くなったのかわかりません。先生は私達チームを代表して診察しているのですから、痛みが10/10から5/10になったとか、食欲が改善して朝ごはんを全部たべたとか、具体的に聞いてきてください。それから、前日午後からの大きな動きがあれば、それもここで説明するとスムーズです。【アドバイス!】担当看護師さんに「〇〇さんはどうですか?」と一言聞けるようになると、できる医師です。 
例 昨夜3時頃にせん妄で転倒しました
例 昨夜に緊急開腹手術をうけ、術後はICUに転床しました 
O:まず最初にバイタルサインを述べてください。それから診察所見、検査所見。朝忙しいのはわかりますが、先生は私達チームを代表して診察しているのですから、私達が知りたい所見を報告することが期待されます。たとえば皮疹だったら範囲の変化、肺炎だったらcrackleの変化など。また私達は腎臓内科なので、頚静脈怒張、足の浮腫、体重、尿量などがとくに重要です。それから腎臓内科なので、血液検査では基本生化学(Na、K、Cl、BUN、Cr)がとくに重要です。 
A/P:前項の『カルテの書き方』の要領で、各プロブレムについて
 ① 原因をどう考え ② どんな検査や治療をしていて
 ③ それにどう反応しており(あるいはしておらず)  ④ それについてどう考え ⑤ 今日は何をしたいのか 
 を述べてください。先生が各患者さんのプロブレムを把握することは、診療にとってとても大事なことです。回診でプレゼンするときに(えっと、この患者さんにはどんなプロブレムがあったっけ…)とあたふたするのも最初は仕方ないことです。しかし自分なりに工夫して、できるだけプロブレムを漏らさず、それらについて自分の考えとその日やりたいことを考えてください。
 
 とにかく、間違ってもいいから自分の考えを持つことが大事です。わからない時は、わからないといってくれてOKです、そんな時こそ私達はよろこんで教えます。ここでのやり取りにこそ教育的な価値があり、だからこそ回診では研修医の先生がプレゼンするのです。そうでなければ、ただの言いなりになってしまいます。難しいと思いますが、少しずつやっていきましょう。