抗体を産生するのはCD20陽性細胞だけではない。だから、CD20をターゲットに治療しても、抗HLA抗体はなかなか減らない。そこで、形質細胞に対して治療してはどうか?というのが、臓器移植の動向である(AJT 2025 25 19-26)。
骨髄腫治療が進歩したおかげで、形質細胞に対する薬はたくさんある(もっとも、転用するには手続きが色々大変なようだが・・MGRSの存在がその助けになっているかもしれない)。
最も用いられるのは抗CD38で、ダラツムマブ・イサツキシマブ・フェルザルラマブなどが脱感作・抗体拒絶などに用いられ始めている。メザギタマブ、CID-103などもある。
他には、BCMA(B-cell maturation antigen)をターゲットにしたテクリスタマブ・エルラナタマブ・リンヴォセルタマブ、GPRC5D(G protein–coupled receptor class C group 5 member D)をターゲットにしたタルケタマブなど。
リツキシマブ・オビヌツズマブ・・といった抗CD20治療が頭打ちな感もある疾患・状況に、ゲームチェンジャーとしての期待がかかる。昨年イサツキシマブを脱感作に試みた研究(JASN 2024 35 347-360)を読んだが、話題にしても「?」という感じだったので、広く注目されるようになって何よりだ。