腎臓内科で勉強している。腎臓が勝手に脹れて故障する病気もあるが、大抵は高血圧、糖尿病などで動脈硬化が進んでなった病気をみている。というのも、腎臓は血液をろ過する工場で、細い血管のかたまりだからだ。1分間に1Lもの血液(心臓から出た血液の1/5)が腎臓を巡る。
動脈硬化が進めば、心臓の血管も狭くなり、脳に行く血管も狭くなる。心筋梗塞、脳梗塞を起こした患者さんも多い。腎臓が悪い人は、そうでない人に較べ圧倒的に病気になりやすく、重症化しやすく、何かにつけ病院に来て、多くの場合入院することになる。
腎臓内科医は本来は透析をまわさずに済むよう努力するのが仕事である。しかし、透析という国営医療(月60万円かかっても自己負担は1万円以下)が充実した日本では、建前ではなんとか悪化を食い止めよう、といいつつ、本音は、悪くなっても透析がある、と思い勝ちらしい。