病棟業務も2週間が過ぎた。ようやく患者さんがまとまって入り、今週からの指導医が「この機会(teachingと呼ばれる病棟業務の期間)はまさにlearning experience」と、教える気満々でもあり、なんだか期待してきたものがようやく得られるのかなあという予感がしている。
とはいえ、単に業務をこなす以上のexpectationが求められるので忙しくなるだろうし、それにより「着いていけない」感でも生じればそれなりにしんどいのだろうが。日本での研修医時代に「はじめての教育的な病棟業務の期間」を過ごしたときは、まさにその為にしんどかった。でも、それがあるから今や大抵のことは平気だし、成長もできたと思う。
患者さんの飲んでいた薬を調べるために薬局に電話するとか、患者さんが在宅での注射や訪問看護を退院後も受けられるように各方面に電話するとか、そういう一つ一つのことは、研修医としては「できて当然」の雑用かもしれない。でも、外国に来てまもなくでロクに自分の保険やら納税やらの手続きすらままならない自分からすれば、十分に「よくやってる」と思ってよいことである。
これからも、仕組みが違ったり言葉が違ったりで調節を必要とする点は数多くあるだろう。でも、せっかく来たことによって得られている今の教育機会・成長機会をちゃんと活かして日々を送りたい。そう考えれば、たとえそれなりにしんどい日々があっても楽しみながら過ごせるだろう。その楽しみは、各国料理が食べられる楽しみとはまた違った充実をもたらすだろう。