3/17/2010

Antihyperglycemics

 非インスリン血糖降下薬も種類が増えてきた。Prandin(repaglinide)はinsulin secretagogue(インスリン分泌促進剤)で、インスリンを分泌する膵臓β細胞のATP依存Kチャネルを閉じることでCaチャネルを開け、カルシウムイオンの流入を起こすことでインスリンの分泌を促進するという。即効性があるので食後の高血糖をおさえるのに用いられる。
 Byetta(exenatide)はGlucagon-like peptide-1(GLP-1)という腸管L細胞で産生されるホルモンに類似した薬である。このホルモンは、腸管に食べ物が入ってくると分泌され、インスリン分泌を促しグルカゴン分泌を抑制することで血糖が上がらないようにし、また胃の動きを遅くして食欲を抑える働きもある(ため副作用として食欲低下、悪心嘔吐がある)。膵臓β細胞の増殖も助けるという。
 GLP-1というホルモン自体は半減期が2分と短く、血中ですぐにDipeptidyl peptidase-4(DPP-IV)という酵素に分解されてしまう。そこでこのDDP-IVの働きを阻害するように作られた薬がJanuvia(sitagliptin)である。この酵素はほとんどの細胞表面にあって、切れるタンパク質を見つけるとザクザクとセリンプロテアーゼで切っていく。不要な細胞の処理(アポトーシス)、すなわちがん抑制の役割もあり、これを抑制する薬には発がんのリスクがあるらしい。