8/10/2010

Histiocytosis X

 HIV/AIDS患者でCD4カウントが低い人がHAART(抗HIV)療法を開始すると、immune reconstitution syndromeがみられることがある。これは、今まで免疫能が極度に落ちていたために日和見感染症に対して炎症反応を起こす(英語ではmount)ことすらできなかった患者さんが、免疫機能の回復に伴い感染の諸症状が一気に現れるものとされている。morning reportでそれを疑う症例を議論した。CXR(胸部レントゲン)で、右肺上葉を中心に陰影がみられ、しかしinfiltrateのようには見えなかったのだが、CT画像でみるとmiliary TB(粟粒結核)を疑わせる小粒状影がみられた。しかしTB諸検査は陰性。VATS(胸腔鏡下手術)生検でも最初は診断がつかず、検体を大学病院に送ったところLangerhans cell histiocytosisという診断に至った。