12/22/2010

WPW

 WPW症候群の患者さんを初めて診た。失神で救急外来に搬送され、救急外来での当初の診立ては飲酒による酔っ払いであったが、その後上室性頻拍をきたし、adenosineでもリズムが変わらずdiltiazemでようやく洞頻脈に戻った。この人は今回の前にも、じつは数年前から週2-3回の動悸発作(数分でおさまる)を繰り返しており、心疾患の家族歴も濃厚だった。それで、アルコールは直接の原因として関与はあるものの、それ以外に基礎心疾患があるに違いないとおもっていた。それで洞頻脈に戻ったところでECGを取り直したら典型的なdelta波があって診断に至った。上室性頻脈は、房室結節から順行に伝導された脱分極が副伝導路を逆流してサーキットを形成したorthodromic AVRTだったらしい。この場合、洞結節からの刺激が副伝導路を介して起こるpreexcitationがないのでdelta波は見られないというわけ。電気生理学の先生にコンサルトして、ablationになった。