3/27/2011

Capnocytophaga

 最近は仕事が本当になくて、これからの数カ月はボケないように頭と勘を鍛えておかなければならない。そんなわけで私は日中よくICUに行って、興味深い症例を探すことにしている。この間は、Cryoglobulinemia(polyclonal)に伴う膜性増殖性糸球体腎炎の症例と、Capnocytophaga canimorsusによる脾摘後の重度敗血症の症例が勉強になった。
 それにしてもCapnocytophagaのプレゼンテーションには何とも言えない恐ろしさがあった。普通のseptic shockではないのだ。DIC(血液凝固の制御がきかなくなる重症の病気)と、おそらくそれに伴う末端の黒い壊死。意識はないし人工呼吸器につながっているが、バイタルサインは保たれていた。
 脾摘後と犬咬傷でこの病原体を考えろとはそれこそMKSAPにも載っているが、実際にこの症例でその病歴を聞きだした診療チームが偉い。結局培養は何も生えないかもしれないが、その病歴があれば臨床診断としてまず間違いないからだ。治療は、感染症科コンサルタントが嫌気性菌カバーでUnasynを始めていた。
 どちらも透析導入されていた。もっとも「原疾患の改善なくして予後改善もなかろう」というfutileさも感じるが。この症例では、意識障害が尿毒症によるものかどうかを判断するために透析を回していた。数日後に意識状態を再評価したうえで、家族と治療方針を決めると聞いた。