2/24/2016

Terminal Intubation

 いくら医学的な適応があってフルコードだからといっても、この人は挿管されたらきっともう家族と話すことはできないのだろうなというシチュエーションには心が痛む。いくら事態が緊急でも、手術室に向かうストレッチャーの横で話すくらいの会話を家族や大事な人とさせてあげてあげられればいいなと思う。とくにまだ患者が話せる状況にあるなら。患者も家族も医療者も救命一心でいるときには気づかないかもしれないが、それが最後の会話になるかもしれないのだ。日本人は面と向かって家族や大事な人に自分がいかに彼らを愛してるかを伝えたりはしないかもしれないが、親しい人と手を握って「がんばって」でも「ありがとう」でも声を掛け合えることは、人にとっての最低限の尊厳ではないかと思う。そういう演出を考えることも、医療者の役目ではないかと思う。