12/17/2024

さっとたどり着く診断

  移植後に腎機能が今一つな場合、考えることはたくさんあるが、すべての鑑別診断に等しく可能性があるわけではなく、こういう場合はX(Y、、)というパターンがある。DCDや高KDPIなら急性尿細管傷害、血圧が管理不能でCrが体液量に敏感ならTRAS(移植腎動脈狭窄)、術後にドレーンが挿入されたなら尿リーク(排液のCrをチェック)、FSGSで蛋白尿がすぐに多量にでるならFSGS再発、利尿薬や下痢といったシチュエーションで高カリウム血症を伴っていたら「血行動態(hemodynamic)」、つまり腎前性+タクロリムス濃度が高い、高度感作例やアドヒアランス不良例であれば拒絶(ただし、CNIを怠薬しているとCrは却って低くなることもあるが)、、といった具合だ。指導医たちは、こうしたアルゴリズムを持っているので、その患者ごとに必要な情報を最短距離で得ることができる。一緒に診療しながら、貯めていくしかない。