自分の提供したいレシピエントと適合しない場合に試みられるSwapは、たとえば体格のミスマッチなどの相対的な場合にも考慮される。だが、ドナーとしては、自分の腎臓が知らない人に移植される(結果、他の人の腎臓が希望するレシピエントに移植される)というのは悩むところである。ABOやHLAが適合なら、やっぱり希望するレシピエントに移植したい、というのも人情である。
「提供を希望するレシピエントに、献腎移植のオファーが来たらどうするか?」というのも、悩ましい。平均値的には、献腎移植より生体腎移植のほうが成績はよい。だが、献腎・生体腎ドナーの年齢や病状によっては、その限りではないかもしれない。献腎移植は、緊急で行われるのでドタバタする。そして何より、生体ドナーの侵襲がなくて済む。