7/11/2010

PBL

 いまは内分泌コンサルトをやっているので、診る患者さんはprimary service(総合内科)に属している。だから私が総合内科の研修医と医学生に、内分泌科からの治療・検査プラン(レコメンデーション)をつたえる必要がある。その際には、どうしてそう考えるかを教えてあげるようにしている。

 そんなわけである患者さんのことで医学生に汎下垂体機能低下症の病態と診療について教えていたら、この医学生がものすごい切れの良い質問を次から次にしてくる。訊けば、彼女は医学部1-2年生のあいだ講義はいっさいなく、すべてPBL(problem-based learning)形式で学んだという。これはグループにわかれて、症例あるいは疾患について、各々がありとあらゆる問いを立てそれにつき調べ学び発表する方法だ。私も医学部在籍時代、これを知って自主的にこの方法で学ぶクラブ活動をしたことがある。

 このやり方は、自主的に学ぶので頭に残りやすい。また問いを自ら建てることは、医師として働くうえで生涯にわたりきわめて重要なツールなので、より実践的と言える。この学生さんが「質問しまくることでバカみたいに見えるけど、その分学べるからいいんです」と言っていたので、(そうだよね)と嬉しくなって「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥だよ」と返したら、「その表現いいですね」と喜んでいた。日本のことわざとは言わなかったが、友達に広めておくようにと冗談で言っておいた。