7/07/2010

Pituitary gland

 下垂体の左右には海綿静脈洞があってⅢ、Ⅳ、Ⅵ脳神経、内頸動脈が走っている。前葉はおもにLH/FSH、PRL、TSH、GH、ACTHを分泌しており、下垂体機能を評価するにはこのすべてを測定する(GHは分泌にムラがあるので代わりにIGF-1を測定する)。IGF-1が高値な場合、確認のためにOGTT(グルコースによりGH分泌は抑制されるはずなのに、GH分泌過剰時には抑制されない)を行う。TRHはlactotropic cellsによるPRL分泌を促進する。PRLはLH/FSH分泌を抑制する。それで、無月経と乳汁分泌を起こす状況のなかでは一次性甲状腺機能低下症が最も多い。
 PRL産生細胞は、視床下部からのドパミン産生ニューロンによる抑制を受けている。高PRL血症をおこす薬剤は多く、dopamine blocker(抗精神病薬、metoclopramideなど)、dopamine産生阻害剤(methyldopa)、opiates、H2 blockers、imipramines、SSRI、verapamilなど。下垂体茎(stalk)の圧迫によっても高PRL血症がおこる。これらの場合、PRL濃度は100mcg/Lを超えることはまずない。100mcg/lを超えてきたら、まずprolactinomaと思ったほうがよい。Prolactinomaの治療は、以前まで手術が主流だったが、現在ではcabergolineあるいはbromocriptineで多くの場合adenomaが縮小しPRLレベルも正常化することがわかっており、手術は内科治療に抵抗性のケースに限られる。